ショーメは1780年、マリエティンヌニトによってパリで創業されました。ナポレオン1世やその後の帝政期の王侯貴族の愛顧を受け、名門ジュエラーとしての地位を築きます。ナポレオンは自身の戴冠式の王冠や、ジョゼフィーヌ、後にマリールイーズとの結婚式のための宝飾品をオーダーしています。ナポレオンが目論んだように、19世紀、パリは高級ファッションの街となり、ヨーロッパの芸術の中心となりました。
1811年、最初の時計を世に送り出しました。ジョゼフィーヌの連れ子であったウジェーヌが注文したペアの宝飾腕時計です。これはイタリアルネサンスと帝政フランス期の装飾美術からインスピレーションを受けたロマン主義を体現するデザインでした。やがて帝政時代が終わり、上流階級ばかりでなく、新たに文化人、アーティストを顧客に迎えました。エレガントで豪華なデザインと優れた時計職人による精巧なメカニズムの時計は、単に時を知る道具ではなく、その地位を表す宝飾品として、200年の間多くの人々を魅了してきました。ジョゼフィーヌ、アトラップモワ、ビーマイラブなど代表的なラインですが、その魅力は歴史に磨きぬかれたエレガンスと気品です。
1995年に発表したケイシスコレクションを機に時計産業へ本格的に参入し、やがてLVMHグループに加わったことで、それまでのブランドイメージを一新します。クラスワンやケイシスがスポーティながらショーメらしいラグジュアリーな雰囲気を醸し出しています。